「旅育」での海外旅行は、日本人がイメージする「旅行」スタイルとはかなり違います。
いったいどこが違うのか?
シンガポールのリバーサファリを例に、「旅育」としてこどもと訪問した時の楽しみ方についてまとめました。
滞在時間を決めない!銅像は触りまくって楽しむ!
日本人の旅行は、観光名所をまわるツアー型。
そのためか、シンガポールの観光地で出会った日本人観光客は、みな忙しそうでした。
リバーサファリの入口で出会った日本人親子は、こどもに「次行くよ!」と急かし、片言の日本語を話すガイドとともにあっという間に見えなくなりました。
おそらく、見学時間2時間などと決められていたのだと思います。
「旅育」では、こうした観光名所をまわる欲張りプランにならないように気をつけます。
滞在時間の制限はできるだけおこなわず、その時楽しかった所、ゆっくりしたい所で時間を費やします。
そのため、思わぬところで足止めを食らうことも多々ありますが、それもまた「旅育」の醍醐味であり、大人もこどもも楽しい思い出となります。
例えば、リバーサファリ入口には、カバの銅像があります。
急いでいると「こんなところで立ち止まらない!」という感じですが、「旅育」ならもちろんこんな感じ。
きっと、雨で濡れていなかったら、背中に乗っていますw。
海外の動物園の銅像は、変にデフォルメすることなく、等身大で詳細まで再現した質の高いものが多いです。
そしてたいていの銅像は、触ってもOK!
大きい口に手を入れたり、牙をつかんだり、目や鼻の穴を触ったりするうちに、動物の形態についても自然に学ぶことができます。
まさに「遊び」=「学習」なのです。
リバーサファリは8つの大河を再現しているので、ゾーンごとに雰囲気が大きく変わり、いろんな銅像があります。
インドガビアルの銅像は、踏みつけて遊んでいました。公園の遊具のようです。
こどもが銅像で時間をかけて遊んでくれるあいだ、大人は解説を読んだり、動物を見たりしてそれぞれの時間を楽しみます。
もちろん、記念撮影をしたりするのも楽しいですね!
タッチングプールやアマゾンリバークエストを体験する!
リバーサファリには、水槽や掲示を見て楽しむだけでなく、タッチングプールやリバークルーズ、アマゾンリバークエストなどの体験型の展示もあります。
こうしたイベントは開始時間があったり、混んでいたりしますが、「旅育」なら積極的に参加します!
リバーサファリのタッチングプールは、とても小さな空間ですが専任のスタッフがいました。
実物を触る前に、模型を使って動物の触り方について詳しくレクチャーしてくれます。
まずはほぼ本物と同じサイズのカブトガニ模型を使って練習。
人差し指で背中をゆっくりなでるよう指導されます。
模型を使えば、小さなこどもでも、言葉が通じない観光客でも正しい方法を伝えることができますね。
上手くできるようになったら、奥の小さなタッチングプールで実際のカブトガニを触ります。
「グッド!」「エクセレント!」と、指導は褒める欧米型。
「やめてください」「~禁止」が多い、日本との指導方法の違いを感じます。
リバーサファリクルーズは、船に乗って湾内をクルーズです。
このクルーズ、自然の保護林を実際に見て楽しみ、野生動物についての解説を聞くという、リバーサファリが「自然への窓口」的役割をはたすうえで、重要な部分です。
が、アトラクションを期待する日本人には「ただ貯水池を1周するだけ」「待ち時間と乗船15分が無駄」となかなか悪い評判。
確かに分刻みに行動する日本型ツアー旅行では、時間がもったいないと感じるのかもしれません。
ただ「旅育」なら、この体験はかなり重要!
設定されていない自然から見つける楽しさを学びたいものです。
アマゾン・リバークエストは、小型ボートに乗って進む体験型。
段差があったり、トンネルがあったりとアトラクション的な楽しさがあります。
ただ、これは次々に動物の展示がかわっていくので、瞬時に次に出てくる動物種を判断し、その生態や行動からどこにいるか見つけ出す必要があります!
ぼーっと乗っていると、動物を見つけられないまま終わることも。
そのため、地図で動物が出てくる順番や位置を予習してから挑みました。
おかげで「いた!あそこ!」と、かなりの発見率でした。
動物ショー「Once Upon a River」を見る
リバークルーズの乗船口近くの広い空間で、「ワンス・アポン・リバー(川の物語)」というショーがおこなわれます。
1日数回開催されていて、私たちが訪問した時は11時半と15時半からの2回の開催でした。
リバーサファリの訪問を、動物園やナイトサファリと組み合わせて2時間ほどと考えていると、このショーを見ることはできないと思います。
ショーには、カピバラやペリカン、ヘビなどの動物が出てきます。
進行は英語ですが、動物がどんどんあらわれるので、言葉がわからなくても楽しむことができます。
動物の特徴や行動などを楽しく説明してくれます。
座席に置かれていた袋からヘビが出てくる、というドッキリもありました。
ショーが終わった後には、動物に触ったり、一緒に記念撮影できる時間もあります。
ペリカンやカビパラの行動に対してのスタッフの反応が早くて、触れ合いにはちょっと気をつけなければならない動物なんだろうなぁ~と感じながら撮影。
こどもは、動物に対して危機感を感じるということも重要ですよね。
「旅育」での旅行をしないと、こうしたイベントに参加して、ゆっくり楽しむということも難しいかと思います。
ただ、こどもの成長や体験を考えるのなら、ゆっくり滞在して1つ1つの経験を満喫するのが良いと思います。